ISBN:4101025010 文庫 芥川 龍之介 新潮社 2000/00 ¥380
ワルに生きるか、飢え死にするか、ニキビ面の若者は考えた……。
京の都が、天災や飢饉でさびれすさんでいた頃の話。荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひきぬいている老婆を目撃した男が、生きのびる道を見つける『羅生門』。あごの下までぶらさがる、見苦しいほど立派な鼻をもつ僧侶が、何とか短くしようと悪戦苦闘する『鼻』。ほかに、怖い怖い『芋粥』など、ブラック・ユーモアあふれる作品6編を収録。

 『羅生門』などは、国語の教科書にも出てきますか?なんか昔、だれかの課題を手伝ってあげた記憶もありますが・・・
 芥川龍之介の短編が何作か収録されている。新潮社版の文庫である。『羅生門』は人間のエゴイズムを描いている作品だと、よく言われますね。ええ、描いていました。読んでみたら、描いていました。エゴイズムです。主人公の男は最後に生き延びる道を見つけたようですが、それに気がついたときは、なんともいえずスッキリしたことと思います。まあ、この作品にスッキリなんて表現も合わないかと思いますが。今まで悩んで悩んで葛藤した分、老婆の一言でかなりスッキリしたんじゃないかな。そして男が発する言葉、「きっと、そうか」だったかな?そんな台詞があったかと思いますが、この男、自分でも「ハッ」と気がついて、まさに目からウロコが落ちたというか、何かと何かがピピピピピィッとつながったというか、そんな体験をしたことかと思います。ピピピピピィッだなんて、この作品を説明するのにふさわしくない表現だけど。

コメント

キタム
キタム
2006年1月26日2:36

これは学校の先生の受け売りなのだけど、羅生門の終りで、男が暗闇に消えていくのは、この先の男の将来を暗示しているんだって。そう言われてみると、芥川龍之介がこの小説で、人間のエゴイズムの末路を描きたかったという意図が見えてきて、ひとつの解釈でしかないけど、面白いなって思ったのを思い出したよ〜^^

なる
なる
2006年1月26日6:11

羅生門!懐かしい〜。
国語の教科書に出てきたよ。
何か…読んでて怖いというか、意味がよく分からないというか、不思議な作品だなーって思ったのを覚えてる。

のぶすけ
のぶすけ
2006年1月27日0:00

きたむんむんむん♪
 おお!国語の先生がそげな面白か解釈をしていたでごわすか。あちしは今日、書店で羅生門を手に取り、きたむんむんご指摘の箇所をば確認してしまったでありんすわいな。
 あちし、個人的にはエゴイズムを肯定して羅生門を読んでいたので、末路にやはりエゴイズムをなだめるような表現があると見るのは、ちょっと納得しかねますが、いろんな見方があって楽しいかと存じます。みんなちがって、みんないい。BYかねこみすず

のぶすけ
のぶすけ
2006年1月27日0:03

なるちょ
 なるちょも不思議な作品だと感じましたか♪あたくしもです♪読んでいて怖いと感じるのは、芥川が人間の本質をついているからでせうか?

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